最後の肉声

70年代のアイドルから、女優へと芸能界で華々しい活躍をしていた元キャンディーズの田中好子さんが亡くなりました。
19年間もの闘病生活の中で、女優を続け「幸せな人生でした」と語る彼女、折しも東北大震災の大被害を病床で観たのでしょう「天国で被災された方のお役に立ちたいです」と振り絞った声で語っていました。
素敵な笑顔の遺影を観ながら、あの肉声を聴くと、仕事柄”命”について考える機会は比較的ある方だと思うのですが、毎日を流されて生きている自分に何か、ズシンと矢が放たれるような重い気持ちになってしまいました。亡くなってからも、こうありたいと思う自分など想像もつかないのです。最後の肉声を残す・・・そんな気丈な方が増えるかもしれない。心からご冥福をお祈り申し上げます。